「Fly Me To The Moon」
以下のテキストは2011年12月23日、ウェブコラム「Keep On Jukin'」にて松本康が執筆したテキストです。
NAT KING COLE / Nat King Cole Sings George Shearing Plays (1962)
自分の首を絞めるようなものだけど、YouTubeでの自分なりの楽しみ方を見つけた。それは好きな曲で探すと、次々に知らないヴァージョンが出てくる。
最近のベスト5は「ベサメ・ムーチョ(Besame Mucho)」「Fly Me To The Moon」「コーヒー・ルンバ (Moliendo Cafe)」「Honky Tonk<BILL DOGGETT> 」「ウナ・セラ・ディ・東京」となる。
特に「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」はおなじみの歌いだしの前に語りのような部分があるのを忘れていた。特に次のナット・キング・コールのものは、お手本のような歌い方。

こういった時間を持つのはアフター・ミッドナイトになるので、ヘッドフォンで聞いていたが、YouTubeは音質も、ヴォリュームもまちまちなので、結構疲れる。そこで思いついたのが、CDが動かない、カセットもだめだけど、デザインがいいので、処分せずにいたラジカセを思い出し、AUXは活きているに違いないと思っていたら、ナイス、音が出る。そこでステレオ・ミニ・プラグ(X2)を買い求めて繋ぐと、これがうまい具合に鳴った。それから枕元に置いてのYouTube三昧となった。
私は、曲が好きなので、こういう聞き方をする。もちろんiTuneで集めた曲群(7万曲を超えた)の中で、プレイリストを作ったりもするが、手持ちの音源には限りがある。それで、こういうことになった。
私の仕事は音楽紹介業みたいなものだが、その原点は鮎川誠師匠がその昔にやっていた「ブルースにとりつかれて (GOT THE BLUES)」というレコード・コンサートに至る。師のブルースに対する愛情と探究心にあふれた選曲とコメントの聞けた、皆で同じ空間で音楽を楽しむという場が忘れられず、自分でも「Beatin’ Groovin’ Movin’」『A Shot Of Rhythm & Blues」「Sound Trip」「Keep On Jukin’」、それにFM福岡での深夜ラジオ番組「Let It Beat」とやってきたが、今は自分のホーム・グラウンド、ジューク・ジョイントがありながら、長期休暇に入っている。自分の最新形の「Keep On Jukin’」を再開するための、充電のつもりではいる。気が満ちたらまた「現場」を作りたいと思っている。
来年早々、「These Are A Few Of My Favorite Songs」といった感じで、YouTubeで見つけた素敵な曲の数々をこの場を借りて、皆さんと共有していきたい。